先輩医師インタビュー
大分こども病院は24時間365日稼働で
社会的ニーズを叶える
他の病院と違うのは、患者さんのニーズに応じた対応を行う・社会的ニーズを汲み取って実現することに徹している点ですね。
指針に基づいて、医療者側がたとえ治療が必要ないと思っても、お母さんが受診が必要だと思っていれば入院を受け入れる。だから24時間365日やっているのだと思います。
たとえ、夜間に虫刺されで来院したとしても、そこには「心配」という理由があって、その不安を病院が取り除いてあげる。大分こども病院は、内科では小児科ですから。そのためにこの病院があるのだと思います。
また、こどもさん自身の重症度だけでなく、家族に寄り添える立場になるというスタンスに対してものすごく共感できます。ただ、やろうとすると大変なこともありますね。
以前からフットワークは良く、小回りが効く病院ですね。
PCR検査を実施する中では規模の小さい病院で、受け入れ時間をある程度区切ってはいますが、融通を効かせてくれて検査を急遽変更してもらったり。ずいぶんみんなが気を効かせてくれています。
断らない医療を医師が実行するために、その下支えをしてくれていることを実感しています。
コロナ感染症の流行で生まれた社会的ニーズに対して、「県病や大学ではできないけどうちにできるのはこれだ」という意識を、各部署が具体的に実感しました。ここで、全体の結束が高まりましたね。
コロナウイルスというものに対して、流行の途中からでも、やろうと思えばこれだけできるんだという成功体験だったと思います。
私たちは、協力と連携体制について教育を受けている世代です。医師が上だから偉い、ではなく、みんなで協力しなければできないというのを研修医の時代から言われていました。
今からのドクターはそういった考えの人が増えていると思っています。
顧客主体であり、サービス業に近いような運営を実現するために、スタッフがどういう動きをしなければいけないか。
どんな配置で動かなければいけないのかを、特にここ2年ほどは組み立てながら実践していますね。
交代勤務を実現するための情報共有と医師間連携
一人の患者を一人の主治医が診る、というのが通常でしょうが、大分こども病院では、外来も病棟も毎日違う医師が診察します。なので、情報をしっかり共有して、1患者さんの治療方法も統一しておかなければ、「昨日の人と話がちがう」となります。
24時間365日同じ人が対応するのは不可能なので、区切ってやるためにどうやって勤務を組めばいいのか。ここは院長がコントロールを行っていますね。
私は夜勤なしの日勤メインで、今の運営を組み立てるうえで私が昼のパーツに入っています。逆に夜メインで勤務に入る先生もいます。
そのような働き方も叶えられるメリットはありますし、他の病院にない部分でしょうね。
外来も同じ先生だけでなく、複数人の医師が同時進行しています。違う先生にキチンと情報が伝わるように、考えながら動いていますね。カルテも自分以外が見てわかるような書き方を意識しています。自分がいない日のことも考えて、事前に申し送りをしたり。
これは、こども病院ならではでしょうね。以前からそんな感じのチーム制でした。
あと、ブラックボックス的な運営ではなくなってきていますね。私が病棟医長として運営会議に参加するようになったのはここ2年くらいですが、以前は決まったことがフワッと提示されるような感じでした。
今は、運営会議、さらにここに出ていない人たちに院長が幅広く意見を求めるんです。
そこで、出た話題に対して関係ないような部署の人も意見を言ったり、内容を見て「病棟のことだな」とわかれば早めに返事をするようにして、早めの意見共有を図っています。
外来も病棟も忙しくて、医師や担当看護師が来るまで待っている時間がない。今すぐにという事態もありますし、共有内容の確認と意見発信はいつも早めにやっています。
診療を進める上での人的要因は大きいですね。特に夜間は人が少ないですし、私たちだけで家族の不安を取るなど、どうしようもないこともあります。看護師さんたちがどれだけ関わってくれるかになるので。
「このお母さんもうちょっと声掛けがいる」など、診療して思った時にひと言看護師さんに伝えると、その後に話しに行ってくれたりしてくれますね。そのような協力体制は必要だし大事だと思います。
”断らない医療”に向けて医師の意識成長を
カンファは、いい意味で緊張感が高まっています。”なあなあ”になる部分がなくなってきていて、中途半端なことはできないなと感じます。私は今年から外来医長に変わりましたので、だからこそ、まとめるということについて日々指導いただいています。
「この話って聞いて良いのかな」といったことがなくなっている気がします。そして、院長は本当にフィールドワークをするので、1年目の看護師に普通に声を掛けたり名前を呼んだりしていますね。行動している時、気が付けばいつもどこかに院長がいて、見てくれているという感覚があります。
院長が常に指導してくれる点は、ドクターとしてプラスですよね。
私は医局人事で今、大分こども病院にいますが、医大のカンファは厳しく、そこで勉強して伸びるというふうに思うもの。逆に、外に出ていれば緩やかになるので、自己流に陥りやすくなることも。
そんな「ピシッ」とする場面に大分こども病院がなっているイメージですね。医大とは患者さん層も違いますし、入れ替わりも激しいですが、文献や結果も教えてくだいますし、勉強になります。
研究や学会発表に関しても、若手に必ずさせるように動いてくださっています。他のクリニック規模の病院では、上席の先生によっても変わるところと思いますが、症例が集まりにくいでしょう。
大分こども病院は患者数も多いですし、やりやすいとは思います。人数が集まらなければできない臨床の研究でも、一般の小児よりデータを集めやすいと思います。
ドクターもひとりの人間
大分こども病院で叶える理想の働き方
私は今、小学生のこどもを2人育てていて、自分の中で今は子育てをやりたい時期でもあります。上の子を出産したあとからずっと在籍していますが、研修医時代にも大分こども病院で勤務しました。その時は、夜間もしっかりとシフトに入っていましたが、今は夜はタッチしていません。
正直、どこかで「子育てをするからできない、できる範囲でやろう」というように見えた部分もあったのでしょう。そのタイミングで院長に叱咤激励をいただきました。
今も時短医ですが、自分で時短医がやれることの線引きをしていて、その中の1つに「役職に就くことができない」と思っていました。医療現場は時間に区切りがあってないようなところもありますし。
時短ではそこに対して責任が取れないので、役は回ってこないだろうと思っていました。
しかし、院長は「時短医でも役職を与えてみよう」と。24時間シフト勤務のパーツはめ込み式で勤務を組んでいるからこそ、実現できると思ってくれたようです。
私は病棟医長をしていますが、これまで見てきたママドクターの先輩方に対する印象とはだいぶ違う働き方だと思います。働くチャンスを与えてもらっていると思いますね。大分大学の医局の中でも、結構珍しいです。
ともに”断らない医療”を実現するドクターの理想像
私が産休育休から復帰した時は「週2回半日ずつ」の勤務でした。できるだけ短く勤務したいというスタンスでいましたが、仕事を再開してからは考え方も変わってきて。
働き方に対する考えが変わることはありますよね。その時に。働き場所を変えなければ実現できないのではなく、どんなパターンでもピースとしてハマる可能性が、大分こども病院にはあるかなと思います。
やっていくうちに、もっとやりたくなったらやればいいし、「このくらいできると思って入ったけど難しい」という逆の思いでも受け入れてくれると思います。
病院の役割としては、社会的ニーズを汲み取っていく…、これは常に変わらざるを得ない病院だという意味でもあります。病院がずっと同じスタンスでやっていれば、ここはなくなってしまいますので。ある程度、その時々で柔軟な考え方に寄り添っていける人は、働きやすいでしょうね。
「自分だけでやろう」と思う人より、協力してやれる人の方がいいでしょうね。協力体制をつくるスタンスを取ることができるドクターがいてくれると、本当にありがたいです。
自分で専門性をもってやりたい、と思っているドクターも、専門外来という形で患者さんを見ることも可能です。専門を活かすこともできて、その情報をみんなでお互いに伝えて、アドバイザー的役割を担ってほしいです。
いろんな分野の方がいてくださる方が、診療は助かります。底上げができますし、いろんな意見が欲しいので、チーム医療に貢献できる方、そのような方はぜひ来て欲しいです。
医師の働き方を診る
週40時間
勤務開始8:30ー終了18:00 *希望者は終了17:00
月MON | 火TUE | 水WED | 木THU | 金FRI | 土SAT | 日SUN | |
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0 | |||||||
3 | |||||||
6 |
8:30-18:00
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8:30-18:00
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8:30-18:00
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8:30-18:00
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8:30-18:00
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9 | |||||||
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15 | |||||||
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24 |
週36時間
勤務開始8:30ー終了17:00
月MON | 火TUE | 水WED | 木THU | 金FRI | 土SAT | 日SUN | |
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0 | |||||||
3 | |||||||
6 | 8:30-17:00 |
8:30-17:00 |
8:30-17:00 |
8:30-17:00 |
8:30-18:00 |
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9 | |||||||
12 | |||||||
15 | |||||||
18 | |||||||
21 | |||||||
24 |
週40時間
当直19:00-翌9:00 (12時間扱い)
月MON | 火TUE | 水WED | 木THU | 金FRI | 土SAT | 日SUN | |
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0 | -9:00 |
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3 | |||||||
6 | 8:30-18:00 |
8:30-18:00 |
8:30-12:30 |
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9 | |||||||
12 | 13:00-22:00 |
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15 | |||||||
18 | 19:00- |
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21 | |||||||
24 |
週40時間
勤務開始8:30ー終了18:00 *希望者は終了17:00
月MON | 火TUE | 水WED | 木THU | 金FRI | 土SAT | 日SUN | |
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0 | -9:00 |
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3 | |||||||
6 | 8:30-18:00 |
8:30-18:00 |
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9 | |||||||
12 | 13:00-22:00 |
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15 | |||||||
18 | 19:00- |
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21 | |||||||
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