看護師長挨拶

看護師としてページを紡いでいくあなたへ

看護師長  小谷 しおり
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 看護師になって26年が立ちました。26年の間には、色々な患者さんとの出会いや、思い出がたくさんあります。

 看護師を目指した看護学校での実習で出会った患者さんは、脳梗塞で片麻痺があるおばあさんでした。リハビリのため、車椅子で移動中に、おばあさんが突然こう叫んだのです。「腕がない!!落としてきた」私はびっくりして、今来た廊下を引き返し、必死に腕を探しました。どこを見ても腕は落ちていません。どうしよう・・・と思った時にやっと、"ああ片麻痺で腕の感覚がないんだ"と言うことに気付いたのです。今となっては、笑い話ですが、その時の私は、早く探さなきゃと必死でした。

 看護師になってから出会った患者さんは、小さな男の子。ヘルペス歯肉口内炎で、口の中が痛く、唾液を呑み込むこともできませんでした。唾液が呑み込めないので、いつも洋服が唾液でびっしょり。何とかならないか、色々と知恵を絞って、タオルを巻いたり、ビニールで唾液を受けるようにしたり・・・今思えばもっと工夫ができたのにと思うのですが、その時はそれが精一杯でした。ある時の事です。夜勤で出勤した時、エレベーターが空いたドアのその前に、その小さな男の子が涙をいっぱいに溜め立っていました。私の姿を見て、その子は急に泣き出したのです。私はギューっとその子を抱きしめました。先輩がそっと、「あなたのことをずっと待ってたのよ。」と教えてくれました。「夜になったら来る」と言ったのだけど、ずっと待っていたのだと・・・

 今の私が、看護師になりたての私を見たら、"何をやってるの!"と怒りたくなるでしょう。26年、今も看護師として仕事を続けられるのは、多くの患者さんとの出会いがあったからです。未熟な私を受け入れてくれた患者さんがいるからこそ、今の私がいるのです。その事を決して忘れてはならないと思っています。

 こうして、患者さんに出会い、看護師それぞれが1ページ1ページを紡いでいくのだと思います。当院で、看護師として、一緒にページを紡いでいきませんか?一緒に働けるのを楽しみにしています。

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