院長あいさつ

おいしい「あんまん」をおみやげに

院長  藤本 保
顔写真

 当院は全国でも数少ない、小児を専門とする民間の救急病院です。平成元年4月に「藤本小児病院」として当地に開業して以来、平成14年に当局の許可を得て「大分こども病院」と名称を変更した今もずっと変わらず「子どもと家族の健康と幸福に奉仕する」という理念のもと運営してまいりました。

 昔であれば兄弟も多く、家には育児経験の豊富なおじいちゃん・おばあちゃんがいていざという時の知恵袋になってくれ、一歩外に出れば近所には世話好きのおばちゃん達がいてくれました。若いお母さんお父さん達はそんな人たちに支えられて子育てをし、子どもたちは地域のみんなに守られて育っていくのが当たり前だったのです。
 今はどうでしょう。核家族化・少子化が論じられて、もうかなりの年月になります。若い夫婦だけで子育てをする世帯も少なくありません。すぐにアドバイスを受けられる人のない環境での育児は、不安がいっぱいです。

「どうしてそのお母さんは、そんな深夜に小さなお子さんを連れて来られたのですか?」

 研修医1年目の夏、前夜の当直時に「蚊に刺された」と言って赤ちゃんを抱えて大学病院に飛び込んできた若いお母さんのことを、翌朝、多少の悲憤とともに報告した私への、静かなまなざしの恩師からの質問でした。その問いに対する答えから導き出した教えが、私に「親の心配とはどのようなもので、それにどう応えるべきなのか」「小児救急の本質とは何か」を考えさせ、「大分こども病院」の理念の礎となったのです。

 私たちは子どもにとって何がいちばん大切かということを常に念頭におき、トータルケアを実践しています。子どものことなら病気の時だけでなく健康な時から小児科に関わらせていただきたい。救急医療・予防接種・乳児健診・病児保育は、当院のトータルケアの4本柱です。

 子どものトータルケアを実践し、なおかつ365日24時間の救急体制を敷くことは、設備も人もそれに備えて充実していなければ成り立ちません。私たちは機器や設備といったハード面の整備・改善に心を砕き、高い意思と強い使命感を持ったスタッフの育成やマンパワーの充実に力を注ぎ続けます。

 不安や心配があれば誰もが遠慮せずにどんな時間にでも子どもの様子を診てもらい相談に乗ってもらえる場所、それを目指して大分こども病院は在ります。

 当院のドアを叩いた子ども達とご家族には、心と足をおみやげとしてお渡ししたいのです。

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